NHKで、障害者支援のためのツールとして紹介していたアプリ

スマートフォンを知的障害児の支援ツールとして利用する試みがいろいろ始まっているようです。
ちょっと前になってしまいますが、NHK教育の「福祉ネットワーク」で、スマートフォンを使った支援の様子が紹介されていました。

リンク: 福祉ネットワーク.

『ぼくの気持ちを伝えたい』
いま、自閉症児などが自分の意志を伝える「ツール」として、スマートフォンなどの携帯情報端末が注目されている。
(中略)
また、これまで「福祉」と関わりがなかった技術者たちも開発に参加し、ユニークなソフトが次々と生まれている。スマートフォンなどの携帯情報端末と、障害児教育のコラボレーションをお伝えする。

と、いうわけで、紹介されていたアプリを調べてみました。

「Voice4u」 AAC(補助代替コミュニケーション)アプリ(3500円)

特別支援学校での取り組みでは、カードがフォルダでまとめられることを利用して、調理実習の手順の説明に使っていました。「Voice4u」公式ブログではスケジュール管理としての利用法も載っていました。

「5分歯みがき」 歯磨きタイマー(230円)

5分のタイマーとともに磨き方を絵で解説。生徒が画面を見ながら1人で磨けるようになったそうだ。

「Lotus」 タイマー(115円)

残り時間を視覚的に表示するタイマー。とにかく画面がシンプル。

「NoiseLevel」 音量計測アプリ(115円)

音量を風船の大きさと色で視覚的に表示する。「静かに!」じゃなくて「風船が赤くならないように話してね。」という風に使うんですな。

なお、調べているときにAACアプリで、こういうのも見つけました。

「ドロップトーク」 AAC(補助代替コミュニケーション)アプリ(1500円)


番組を見た感想ですが、コミュニケーションツールとして利用するには、意思表示のための取り組みをしっかりしてきた上での活用なのかな、と。
まあ、当たり前のことでしょうが。


◆ さて、おチビの利用は… ◆

ところで、前にも書いたとおり、以前からウチではおチビに iPod touch を持たせていまして、「Voice4u」と「Lotus」は入れているんですけれど、恥ずかしながら、活用してるとはいえないですね〜。
「おチビに iPod touch を持たせてみた」

むしろ、今のところはデフォルトでついている「写真」機能を利用しています。
病院など、出かける時の行き先を写真に撮っておいて、「ここに行くよ」と見せる、という使い方をしています。
音声は入りませんが、フォトアルバムで写真をまとめられるし写真の数も少ないので、今はそれで間に合ってます。

しかし、おチビの場合、やっぱり音楽プレイヤーやゲーム機としての利用がメインですかね(^^;
ただ、こいつのおかげで本当に助かった!と思うことがあります。

それは、病院の待ち時間!
長い待ち時間を退屈させず、じっと1カ所に留めておくのが、どれほど大変だったか!

今では私が席を立つ時も、「ここでこれ(iPod)を見ていてね」と言えば、フラフラ動かず椅子で待っていてくれます。
以前は、トイレに立つこともできなかったですから、これだけでもありがたい。
また、こういう機器を使っていると、大人から「すごいね!」とほめられるので、ちょっと自慢げなんですよ(笑)

支援といっても、その子に応じていろいろな利用の仕方ができそうですね。

なお、おチビが利用しているアプリも紹介します。
まあ、ほかにもあるんですが、知育アプリを中心に。


「知育えほん」 知育アプリ(無料、課金アプリは1つにつき115円)

対象年齢1~5歳。無料版は10までの数を数える、とか、くだもの、どうぶつのなまえを当てるゲームとか。
新しい課金アプリがちょこちょこ追加されるので、子どもがうっかりダウンロードしないよう注意が必要かも。
ただ、課金アプリには迷路やあいさつ、買い物など楽しめるものが多いし、値段も良心的かな。
おチビのお気に入りです。

タッチ!うごく うたえほんLite 音楽アプリ(無料)

おなじみの童謡で手遊び動画、うごく絵本が楽しめる。対象年齢0〜6歳。
なお、ライト版は「だるまさんがころんだ」と「はと」の2曲だけだが、10曲収録のフルバージョンは450円也。
手遊び動画では、18代目うたのおねえさん、つのだりょうこさんが歌っています。

FirstWords:Japanese ひらがな・カタカナ学習(600円)

文字を並べて単語を作るゲーム。ちゃんと文字の発音と単語の発音が2つ入っているのがいい(「く・る・ま」「くるま」という風に)。ひらがなボードなどでは、文字を並べてもアクセント付きの単語の発音はわからないですからね。


おチビは、文字や数字に興味を持ち始めているので、このようなものを入れていますが、ほかにもいろいろ知育系はあるので、その子にあった使えるアプリを探してみてもいいと思います。

とは言え、補助代替コミュニケーションとか知育とかガチガチに考えなくても、普通に趣味を楽しむための道具として持たせててもいいよな〜、なんて思ってるんですがね(^^)

追記:無料アプリを使用する場合、宣伝リンクが入ってしまう場合があります。インターネット接続を避けたい場合はWi-Fi設定をオフにして子どもに渡してください。

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『買い占め』についての雑感

この度の東日本大震災について、あまりの被害の大きさになんと言っていいのかわからない。
お亡くなりになられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。


事態は推移していくので、今の時点で、感じたことをメモしておく。
とくに、それぞれの行動について、あまりにも感情的に反応が多く、今後の方向性を見誤るのではないかと危惧する。

例えば、『買い占め』の問題。

木村太郎が東京新聞コラムで「買いだめは『略奪行為』」と書いていたが、まさしく他地域の多くの方は、これがエゴと不安とデマに振り回された愚かな群衆によるパニックと思っているんじゃないか。

被害のなかった地方で、かつての「石油ショック」の際の「トイレットペーパー騒ぎ」と同じパニックが起こり、スーパーの棚から生活必需品が姿を消したのはどう考えるべきなのだろうか。 被災地でこそ必要な物資を買いだめするのは、ある意味で「形を変えた略奪行為」ではないだろうか。  幸い、この問題はこれを書いている時点では、まだ海外に報道されていないが、今後「日本にも略奪があった」と報道されないよう、買いだめがなくなることを願うばかりである。 (「太郎の国際通信」東京新聞:3月20日)

木村氏は、本当に「パニック」が起こっている様子を取材したのだろうか?
むしろ、「商品の払底」→「石油ショック」という連想に基づいた、思い込みである可能性はないのか?

商品棚に品物がないのは事実だ。
だが、それが買い占めにだけよるものかどうかは、再考を必要とする。

木村太郎のコラムの翌日、同じ東京新聞の経済面には次のような記事があった。

ガソリンひっ迫 休日明け改善?(東京新聞:3月21日)

(前略) ガソリン不足の大きな要因は、製油所の被災だ。千葉県市原市の製油所が震災で火災が起き、横浜市内の製油所も震災後の稼働停止が続く。石油連盟によると、東北と関東にある製油所九カ所のうち六カ所の稼働が止まっている。

 近年、石油元売り各社が業務効率化で製油所や物流を削減したことも一因となった。ある業界関係者は「各社は必要以上にガソリンを作ってない」と明かす。

 平時であれば、効率的な生産体制でも混乱は生じない。しかし、効率化で少なくなった拠点のうち、震災で数カ所が生産停止となれば、供給量が細るのは自明だ。こうして起きた品不足に、消費者の買いだめがダメ押しとなり、異常ともいえる首都圏のガソリン不足を生じさせた。

 横浜の製油所など三製油所は週明け以降、稼働を再開する見通し。石油元売り各社は、震災の影響がない西日本の製油所から首都圏に搬送することから需給バランスは徐々に解消するとみられる。(後略)

記事では、「買いだめがダメ押し」とあるが、それ以前に供給量の減少があったことを示唆している。物流の効率化ーストックを極力減らしフローを活性化させるーは、平時であれば問題ないが、フローが滞るような非常時においては、直ちに弾力性のなさとして問題化するという当たり前の話に過ぎない。

商品流通に関しても、次のような指摘を見つけた。

「商品の払底は買い占めだけが原因じゃないんじゃないの説」(切込隊長BLOG(ブログ) Lead‐off man's Blog)

で、そろそろ決算だというのもあり、B2BのEC物流を担っているシステム屋の経営者なんかともいろいろと話していたんですが、買い占めの影響もあるかもしれないけど実際には在庫を極限まで減らしたり、生産拠点からダイレクトに販売拠点へ品物を送り込めるシステムのお陰で、突発的な需要増とトラックなどの物流の混乱が混ざると見事に品物が店頭からなくなるというんですね。

 とりわけ、埼玉や千葉に物流拠点を持っていた法人さんだと、トラックがうまく首都圏に流れていかず、流通に在庫が残っていても店頭に品物が届かないという事例が急増したそうなんですが、これはスーパーなどに置ける在庫がそもそも少ないところへ、ちょっとした需要増があるとモノがなくなるという現象に見えてしまうようで。

 というのも、そもそもペットボトルの茶など週に1、2本程度しか買わない高齢者が3本買うようになるだけでコンビニから茶が消えたり、いつもは残り2,3ロールになったらトイレットペーパーを買う家庭が「なくなって買えなくなったら嫌だから」ととりあえずいま買っとけ的な行動によってちょっとした需要が増えるだけで、簡単に流通在庫がなくなって、それがあたかも買い占め発生のように見えてしまい、かえって「買えるときに買おう」という消費行動の連鎖を呼ぶのだろうと。

 それが、一品目や二品目で払底するならブーム乙で終わるものが、災害発生時では結構な品目で起きるものだから、棚が空っぽになっちゃうわけですね。

ここで示唆されるのは、「買い占め」と言われるものの正体は、1人でペットボトルを何本も買い込むモンスターではなく、「ちょっと1本余分に買っておこう」という普通の消費行動であるということだ。

これは、生活者からの現状を述べたブログ。

26報~本当に「買占め」なの? [東京・国分寺市から~東日本大震災ルポ](真姿の泉 TODAY ~野川源流・真姿の池湧水観測~)

昨日まで、牛乳やトイレットペーパーが売り切れになっていたので、お店の人に「買占めなのか、そもそも入荷が少ないのか」といちいち聞いてみました。
お店の人は必ずと言っていいほど、「そもそも入荷が極端に少ない。開店の時はあるにはあるが、数が少ないのであっと言う間になくなる。流通の問題らしい」と言います。

(中略)

たしかに計画停電がはじまった日から、主婦の買い物籠の中身の量は、いつもよりちょっと増えていることは確かです。でもこれは、停電に備えて、食材をいつもよりちょっと多めに買っているだけのこと。停電予定時間の間はお店はみんな営業しないのだから。
その上、子どもたちは停電の影響で学校がお昼までで終わり、給食を食べずに帰ってくるのだし。お昼ごはんの食材の分、買い物が確実に増えているのは確か。

その結果、いつもよりもお店の売り上げが増え、在庫が減っていることも確かでしょう。
でもこれ、言われているような買占めなの?

ついでに言えば、都心部以外は郊外化による消費行動の影響も無視出来ないと思っている。
すなわち、極度に車(マイカー)に依存した生活環境である郊外においては、徒歩圏に生活を維持出来る小売り店が存在しない。そのため、「車移動で大型スーパーでのまとめ買い」が一般的なライフスタイルとなっている。
ガソリン供給の不安は買い物の回数を減らし、そのかわり一回の買い物量を増やすと言う消費行動をとらせるだろう。
それが、短期間に集中した場合、「簡単に流通在庫がなくなって、それがあたかも買い占め発生のように見えてしま」う事態が起こりうる。

いずれにしても、現状での「買い占め」は日常的な消費行動の中で複合的な要因が絡み合って生じた現象である可能性が高く、木村太郎氏が「略奪行為」と罵るほど、極端にエゴイスティックな行動とは言いがたい。

もっとも、「買い占め」に相当するような行動をとる人がいないとは言わない。
そりゃあ、いるだろうよ、実際。
ただ、一部の例を見て、全体を見誤るようなことは避けるべきだと考える。

実際、一部のモラルハザードを強調することによって背後の問題が覆い隠されてしまうことはよくあることだ。
例えば「給食費不払い問題」では、モンスターペアレントの存在が強調されたことにより、「子どもの貧困」が不可視化されてしまった。

つうか、さ。
テレビでさんざん空っぽの棚を映して「買い占め」って連呼しておいてさ。
その状況で「略奪行為」なんつう、極めてセンセーショナルな語彙の選択するってさ、煽り以外の何ものでもねぇだろ。

「われわれとは異なるアンモラルな存在または有徴集団が、われわれの生活を脅かしている」という思考形態は、しばしば凄まじい排斥や迫害の源泉となってきた。
そのとき「アンモラル」の根拠が、事実無根な偏見であることは決して珍しくはない。

震災という非常時の中で、安易なステレオタイプの流布に加担することこそ、ジャーナリストとして最も忌避すべきことであろう。

ありもしねぇ海外メディアの非難に怯える暇があったら、配送センターで奮闘する皆さんを報道したらどうか。
今必要なのは、くっだらねぇお説教じゃなくて、今後の見通しだ。

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これこそニーメラーじゃねぇのか。

リンク: 石原知事「当たり前」…国歌斉唱「合憲」判決 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

都青少年健全育成条例が改正されるかどうかが問題となっていた頃、『ニーメラーの警句』とやらをよく見かけた。

ナチ党が共産主義を攻撃したとき、私は自分が多少不安だったが、共産主義者でなかったから何もしなかった。
ついでナチ党は社会主義者を攻撃した。私は前よりも不安だったが、社会主義者ではなかったから何もしなかった。
ついで学校が、新聞が、ユダヤ人等々が攻撃された。私はずっと不安だったが、まだ何もしなかった。
ナチ党はついに教会を攻撃した。私は牧師だったから行動した―しかし、それは遅すぎた。

『彼らが最初共産主義者を攻撃したとき』 ーウィキペディアより引用

エロだからって規制を容認していては、『表現の自由』は守れんよーってな、文脈だったかと。
戦前の言論弾圧もエログロ取り締まりから始まったということを書いていた文章も見かけた。

でもさ、

都条例改正の前から、すでに『表現の自由』はないがしろにされていたんじゃないのか。

『自由を大事にしない人の多さに驚く』ーgood2nd

この記事は、君が代訴訟の地裁判決が出た時の記事なんだが、ここにすでに次のような文章がある。

どうも、教員だから、公務員だからということで非難する人が多いという印象を受けます。見ていて嫌だなー、と思うのは、政府や都のような所から発せられる「力」に対する鈍感さ、です。自分にその「力」が向けられる可能性をまったく想定していない。まるで他人事で、「オマエらちゃんとしろ」というだけ。それがたまらなく気持ち悪いんですよね。

そして、今回の高裁判決について、やはり他人事として教員を非難している人々がいる。

こういうのを見ていると、結局、あの条例は通るべくして通ったんだな、と思うよ。

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おチビに iPod touch を持たせてみた。

いろいろ、書いておきたいことはあるのだけど、なかなか気力が…。
とりあえず、1年前に書いた記事、「iPhoneと自閉症の支援」のフォローをば。

自閉症の人のコミュニケーション介助ツールとしてiPod touchのアプリがアメリカで開発されたという記事を紹介したのですが、現在、日本語では「Voice4u」というアプリが販売されています。

「Voice4u」公式サイト

時事ドットコムで紹介された記事はこちら。
リンク: 時事ドットコム:自閉症向け会話ソフトが人気=実体験踏まえ日本人主婦が開発−米(2010/04/04).

で、購入してみました。

メリットとしては、かさ張らず携帯が便利、カードの追加やカスタマイズが楽ちん、何よりiPod自体ののインターフェースが視覚的にわかりやすいので、かなり重度の子でも使えるのでは、と感じました。

デメリットとしては、電池、かな…。
他に遊べるアプリを入れていると、そっちで遊び倒して肝心な会話のときに電池がないってことになりそう。
(おチビはしょっちゅう充電が必要になっています。)
迷子になったときに助けを求める、などという事態では、このデメリットは非常に大きいといえます。

さてさて、おチビと「Voice4u」ですが、実際に触らせてみました。

ただ、おチビは、絵カード自体まだ「トイレ」と「おちゃ」しか使っていないのでね。
いきなり150個ものアイコンを使いこなすことはありえないわけでして。
と、いうわけでコミュニケーションツールとして使うことはまだ期待していません。

むしろ、音声が出るのは面白いようなので言葉を覚える手段の一つになるかな、と。
おチビは音声の後に自分でまねして発声していますし(不明瞭だけど)。
絵を見て音声と概念がつながるといいな、と思っています。

100415_153401ところで、おチビには iPod touchの一番安いの(8GB)を持たせています。

そのまま持たせるとスクリーンまで握り込んでしまうので、白いソフトレザーケースをつけて持つところをはっきりさせました。
ストラップはデジカメのを流用。首からぶら下げられるようにしています。

写真のとおり最初のホーム画面におチビが使うアイコンを残して、あとは別のホーム画面にまとめました。
アイコンは「写真」と「ビデオ」と「ミュージック」、それに「Voice4u」とタイマー2種(「Lotus」「Time Signal」)
今は、これに「知育えほん」という幼児向けアプリも入れています。
「ミュージック」と「ビデオ」には「おかあさんといっしょ」、「いないいないばあ」や「アンパンマン」などのの曲を片っ端から入れました(笑)

なお、おチビにはiPodの使い方をほとんど教えていなかったんですが、自分でいじりまくって覚えてしまいました。
例えば音楽を聴くとき、iPod touchを横向きにしてアルバムアートを指先でめくってアルバムを選択、立て向きにして曲名リストを表示。リストは読めないのですが、タップしてイントロを聴き、聴きたい曲を選び出す、というやり方を自分で見つけ出していました。
最近ではランダム再生や繰り返し再生も覚えて、気分で選んでいるようです。

Wiiですらコントローラーと画面の関係が今ひとつ認識しずらいようで上手く操作出来なかったおチビが、これだけ使いこなすとは思っていませんでした。
スクリーンで直接操作する、というのがとにかくわかりやすいようです。
感覚的に操作出来るiPod touchは、知的障害児にとって結構便利なツールになるような気がします。
タイマーとか予定表とか、工夫すれば便利なアプリができそうですよ。
どこかか作ってくれないかな〜。

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善意を疑うものではない。それでも…

行きがかりで、他の方のブログに余計なことを書いてしまった。
憶測で書くことは避ける、というのはいつも肝に銘じているのだけど、今回ばかりは、つい、反応してしまった。

言い訳ばかりしても仕方がないので、自分自身への自戒も込めて、記載しておく。

まず、ことの発端はThe Japan Royal Academy of Homeopathyの掲示板にある親からの相談が掲載されたことによる。
それは以下の引用からもわかるとおり、真実ならば緊急性を要する事態だと思われた。

ただ、やはり毒だしのレメディ(抗生剤、全身麻酔、胸腺の毒だし)をとると、すごい好転反応がでてしまいます。わかってはいますが、ちょっと続けられないくらい、顔、特に目がはれてパンパン、足もむくみ、蛋白尿がでて、みているのが辛くて断念してしまいます。

ホメオパシー体験談紹介


そのため、多くの方が事実関係を確認出来ないまま、児相や警察への通報を行った。
結果として、警察の介入により個人が特定され、とりあえずは緊急性のないことが判明した。


◆ 私が反応してしまった部分 ◆

ご自身も児相に通報したlets_skepticさんが、ご自身のブログに反省点と懸念を述べられた。
医療ネグレクトの通報を行って考えたことーSkepticism is beautiful

この記事については、良エントリだと思う。

ところで、コメント欄に naa_san さん が以下のような書き込みをした。

2010/07/25 01:36 私も自分なりにまとめを書こうとしているのですが、なかなか進みません。
この件、ホメオパシー側の問題と、母親の問題とを分けて考える必要があると思います。
この母親は、騙されただけの善良な被害者などではありません。
「少し大袈裟に書いたほうが『体験談』に取り上げてもらえるのではないか」と実際よりも大袈裟に書いてしまった、という母親の言葉を愛媛県警は伝えてきました。
つまり、目立ちたかったわけですよ。重病の子どもを看護する母として。
子どもの点滴に汚水を混入した、代理ミュンヒハウゼン症候群の母親に近いものを感じます。
子どもの健康よりも自分の気持ちを優先する。そういう行動を取る母親です。たとえホメオパシーにはまっていなかったとしても、別の形で虐待を行っていた可能性があります。
虐待に関して、愛情があることは免責事由にはなりません。

ちょっと待て、と思った。
実際に会ったわけでもない。
伝聞から「実際よりも大袈裟に書いてしまった→目立ちたかった」というのはあまりにも飛躍だろう、と。
それは、あなたの思い込みに過ぎないだろう、と。
そして、あなたが責めている母親像は、あなたの思い込みがつくり出したものではないのか、と言いたかった。

だが、私は、認知に歪みがないかを問うのではなく、別の母親像を提示するという愚を冒した。
そのため、 naa_san さんと互いに、推定で特定の母親の状況を語るという、最も避けるべき状態を招いてしまった。
そして、結果的に、 naa_san さんの思い込みを強化してしまったとおもわれる。


◆ 想像と事実を区別すること ◆

現実の世界で児童虐待にあたるかもしれない親子を見たとき、もちろん、児童相談所などしかるべき機関に通報したほうがいい。というより、通告義務がある(平成16年児童虐待防止法改正法)
何より、子どもの安全確保が優先されなくてはいけない。

そのとき私たちの前にいるのは、実在の子どもだ。
少なくとも、親子の様子を自分の目で確かめることはできる。

だが、今回は子どもが実在かどうかわからないネットの中の話だった。
緊急性を疑われる書き込みではあった。
しかし、私たちは、自分の中で親子像を勝手に膨らませて危機感を増幅させていなかっただろうか?
(性別は不明だったにもかかわらず、「女の子」という話になっていたこともあった)

もちろん通報した方々の善意は疑うものではないし、その行動は敬服する。
私は、行動を起こしていない。

それでも、と思う。

警察が介入した現在に至っても、母親の性格を詮索し、不安を募らせる姿勢は『怖い』と感じる。

想像には限度がない。
ネットでは本当の結果が分からないが故に、母親への不信を増幅させてしまったら、それをおさめることは困難を極めるだろう。
人々の想像の中で膨らまされた「悪い母親」のイメージは、親子の幸せを願って悩み葛藤することよりも、集団で責め立てることを選ばせるだろう。

歴史は、人々の中に蔓延したステレオタイプが悲劇的な結果を招くことを、繰り返し繰り返し経験している。

Pia fraus(敬虔な虚偽)という言葉がある。敬虔なキリスト教徒は敬虔なるがゆえにイエスやマリアのイメージをますます美しく描かねばやまず、逆に悪魔やユダヤ人は額に角を生やし、尻尾を下げ、蹄の割れた怪物の姿としてますます醜く描かれねばならない。ヨーロッパの情念史はまさしく敬虔な虚偽によってつむぎ出された無数のイメージが綴るつづれ織りといってもよかろう。『千年王国の追求』 P408

想像と事実を区別すること、それしか、悲劇を防ぐ手立てはない。
まずは、想像を根拠に非難をしないこと。自戒である。

千年王国の追求千年王国の追求


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魔女狩りの社会史―ヨーロッパの内なる悪霊 (岩波モダンクラシックス)魔女狩りの社会史―ヨーロッパの内なる悪霊 (岩波モダンクラシックス)


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お久しぶりです。(RSウィルスについても再掲)

お久しぶりです。
先月はおチビがRSウィルス感染(※)から肺炎を起こして半月も入院したり、退院後に疲れがでたか、感染して旦那共々熱出して倒れたり、新年が明けて酒飲んだりゲームしたり、なんだかんだで久しぶりにネットをみたら浦島太郎になった気分です。

こんなぐうたらですが、ぐうたらなりに更新をしていきたいと思っています。
よろしくお願いします。


(※)RSウィルスについては、以前、別のブログで書いたことがあるので以下に再掲します。
   未熟児母親学級での、小児科医の講演をメモしたものです。

(RSウィルスは)いわゆる風邪の原因ウィルスの一つで2歳までに100%の乳児が感染すると言われるほどポピュラーなものなんですが、1歳未満の乳児、未熟児、呼吸器疾患や心疾患を持つハイリスク児は重症化する場合が多い。


これが問題なのは、病気の進行が早いこと。
半日であっという間に重くなるそうだ。RSウィルス感染症に関しては様子を見ている余裕はない。
熱はでないこともあるが、呼吸数が増え、苦しそうな浅い呼吸で「ぜーぜー」という音がしだしたら夜中でも即病院へ連れて行くこと。


なお、小児科専門医でなければ診断できないこともあるので(ぜんそくと間違える場合もあるそうだ)必ず小児科医のいる病院で診断を受けること。
できれば大きめの病院が望ましい。(その先生はクリニックを経営している方でしたが、即、二次、三次医療機関へ搬送するケースも多いとおっしゃってました。)


治療法はなく、治癒は本人の抵抗力による。
免疫がつきにくいウィルスではあるが、普通は2、3回かかるうちに軽くすむようになるそうだ。
ハイリスク児でなければ、抵抗力のつく2歳頃にはそれほど心配する病気ではなくなるそうです。まあ、風邪ですからね。


予防について、ワクチンはありませんがウィルスに対する抗体のパリビズマブという注射薬があります。(製品名はシナジス)
でも、一番の予防は人ごみをさけること。
家族がウィルスを持ち込まないこと。外から帰ったら手洗い、うがい、基本ですね。

引用文内の強調は当時のままなんですけれど、RSウィルス感染の『病気の進行の早さ』は、今回嫌というほど思い知らされましたよ。
本当に、咳が出始めた朝は熱もなく元気だったのに、外来で帰宅したら1時間もしないうちにグッタリしてしまったのには驚きました。
速攻で大学病院に飛び込んだら、SpO2が80台、そのまま入院でした。

同室だった生後1ヶ月の赤ちゃんは、朝まで待ってしまって、危うく命を落とすところだったとのことでした。

ただ、「RS部屋」に入院していたのは、皆、1歳未満の赤ちゃんでした。
5歳を過ぎて重症化してるのはおチビぐらいで、循環器の先生に「今頃、RS!?」と驚かれました(^-^;
やはり、健康な子であれば、それほど神経質になる必要のない疾患なのでしょう。

でも、1歳未満の赤ちゃん育てている親御さんは、風邪と侮らずに注意してね。

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『野の花さんぽ図鑑』

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お彼岸も済んで、すっかり秋めいてきました。
畑や田んぼの周りを彼岸花が彩っています。

で、彼岸花に吸蜜しているキアゲハをパチリ。
ひと夏の間にさぞかし危ない橋を渡ってきたんでしょうね〜、きれいな羽がボロボロでした。


さてさて、今日は植物図鑑の紹介です。
見かけた草花の名前をちょっと調べたい、なんてぇ時にポケット図鑑は便利なんですけれど、写真だけの図鑑だと、以外と特徴がわかりにくいことがある。
そこで、植物画の図鑑で手頃なのがないかと思って見つけたのがこれ↓です。

図鑑としては、ちょっとボリュームが少ない感じですけれど、季節ごとの解説になっているので北関東の里山(著者は栃木在住)の歳時記としても楽しめます。
フィールドワークの入門書としてもいいかも。
巻末には「植物画入門」も掲載されているので、ボタニカルアートに興味のあるひとも参考になると思いますよ。


さて、明日も散歩に行こうかな。

野の花さんぽ図鑑

野の花さんぽ図鑑

著者:長谷川哲雄

野の花さんぽ図鑑

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やっと、ハイリスク者に向けた情報が出てきた。

本当に、やっとなんですが、インフルエンザのハイリスク者に向けた具体的なガイドラインが出てきました。

リンク: 厚生労働省:健康:新型インフルエンザ対策関連情報:妊娠・基礎疾患等をお持ちの方々へ.

基礎疾患には、「透析者」「糖尿病患者」「がん患者」「ぜんそくなどの呼吸器疾患」があげられている。


中でも、
「新型インフルエンザ対策(A/H1N1)ぜんそくなどの呼吸器疾患のある人へ」 と
「新型インフルエンザ対策(A/H1N1)糖尿病または血糖値が高い人へ」 の2点(PDFファイル)は内容が充実している。

受診のタイミングや普段服用する薬との注意点などが具体的に示されていて、患者にとっては最も欲しい情報だと言える。

見やすさという点では劣るが、
「妊婦もしくは褥婦に対しての新型インフルエンザ感染(A/H1N1)に対する対応Q&A」(PDF) は、
妊婦もしくは授乳中のママがインフルエンザにかかった時の対処について必要なことが書かれている。

ワクチンやタミフル・リレンザなどの薬についての説明もあるので、是非一読をお勧めします。

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インフルエンザにつらつらと思うこと・2

沖縄で、子ども達がマスクをして登校している姿がTV報道されていた。
すでに外しちゃって手に持っている子もいて、暑いのに大変だよなぁ、と思う。
子どもに四六時中マスクをつけさせるのは、至難のことだろう。
マスクの扱いだって適切には出来まい。
マスクを手でくちゃくちゃ触ってたら、それが菌のついた手だったりしたら無意味だ。

むしろ、ティッシュを持たせて、咳やくしゃみが出るときに口をおおう(そのティッシュは蓋付きのゴミ箱に捨てさせる)方がいいんじゃないか、とも思う。
手指のアルコール消毒薬も利用しながらね。

これから秋にかけて学校行事も多い中で、いろいろ支障が出てくるだろうなぁ。
なるべく、子ども達に負担のかからないやり方で乗り切って欲しいと思う。


先日の記事には
『ハイリスク層は重症化するから気をつけろ』ってアナウンスは、実際のハイリスク者にとって情報の価値がゼロなんだよね。だって、当たり前のことだもん。
なんていちゃもんつけたわけだが、普段健康な人に対しては、『あなたは軽症で済むかもしれないが、インフルエンザにかかると重症化するリスクの高い人がいる』という情報になるわけで、価値はもちろんある。

で、こういう情報を出すことで「重症化防止に焦点を置いて対策を進めないといけない」(19日、厚労省 中嶋建介・感染症情報管理室長)という話に国民の同意を取り付け、ハイリスク群への対策実施ということになると思っていたのだが、どうも、ワクチン接種の優先順位に関する報道を見ていると、「感染拡大防止」とごっちゃになっている気がしてならない。

もちろん、感染拡大を防ぐことは重要だけれど、限られたワクチンで何が出来るかを考えて欲しい。

新型インフルエンザA(H1N1)は、幸いにも、それほど毒性の強いものではない。
健康な大人がかかった場合は抗インフルエンザ薬の投与も必要ないという(WHOガイドラインなど)。
感染に怯えるのでなく、また、感染しても慌てず、冷静に行動してほしいと思う。

そして、風邪症状が出たときは、軽症でも他の人にうつさないよう外出を控えてゆっくり休んでほしい。
本人の為であると同時に、ハイリスク者への感染を防ぐことにもなるから。

新型インフルエンザでなかったとしても、季節性インフルエンザや風邪もハイリスク者にとっては充分怖いのです。

春の騒動のときに新型インフルエンザに不安を感じていた人は、ちょっと想像してみてほしい。
ハイリスク者を抱える家族は、毎年毎年、その不安を抱えて一冬過ごすのですよ。
それが、今年は1年中続くのですよ。

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新型インフルエンザ報道につらつらと思うことなど

リンク: 新型インフル、「本格的な流行が始まった」—舛添厚労相 -医療介護CBニュース-.

新型インフルエンザの本格的流行が始まったとかで、やっとワクチン接種の優先順位、なんてぇ話になっています。

5月の時も思ったんですけれど、厚労省の(つうか、記者会見での)情報の出し方は、わざわざパニックを煽る為に出しているんじゃないかって思っちまうくらい、下手ですね〜。
患者の定点医療機関当たりの報告数なんてずっとやっているのに、死者が出てから「第1波の本格的な流行が、既に始まっていたと考えていいと思う」なんて発表をして、さらにその後でワクチン接種の優先順位を検討する為の専門家の検討委員会って、どんだけ泥縄なんだよって感じ。
だいたい、ワクチン数の不足は5月の段階で予想がついていたろうに。
WHOが6月にはパンデミック宣言を出していたろうに。


それにしても、これも5月から思っていたんだけれど、で、未だにそうなんだけれど
慢性呼吸器疾患や慢性心疾患などの基礎疾患を有する人、妊婦、乳幼児を「重症化するリスクが高いとされている」とした上で、早期受診、早期治療を心掛けるよう求めた。
って報道ね。 この『ハイリスク層は重症化するから気をつけろ』ってアナウンスは、実際のハイリスク者にとって情報の価値がゼロなんだよね。 だって、当たり前のことだもん。

早期受診、早期治療を推奨するのは、新型インフルエンザウィルスにタミフルやリレンザなどの抗ウィルス薬が有効だからでしょう。だから早期受診なんでしょう。そういうことをアナウンスしなきゃ。

つうか、ね。

ハイリスク者にとっては、季節性インフルエンザだって、RSウィルスだって、マイコプラズマだって、肺炎球菌だって、かかりゃあ重症化するリスクがある。

だから、「リスクがある」なんて漠然と言われても、不安を煽られるだけで他の感染症と比べてハイリスク者にどの程度のリスクがあるのかが判断できないんだよね。
一方で弱毒性との情報もあるわけで、じゃあ、どの程度の警戒レベルで行動すればいいのかってことが余計見えにくい。

実際、ウチも季節性インフルエンザの流行する冬は外出を控えるけれど、その警戒レベルで1年中過ごすのは不可能だよ。赤ちゃんの時ならともかく、1年中家に閉じ込めていたら発達に支障が出るよ。

現状が冬期の流行期に比較してどの程度の事態なのかだけでも、(未確定の要素が多いとはいえ)あれば判断材料になるんだけれど。
『流行期』に入ったと漫然と言われてもね〜。
やっと、ここへ来て『インフルエンザ患者の定点医療機関当たりの報告数』というのが出てきたけれど、それでも、報道だけではその数値にどれほどの意味があるのかが見えにくい。

で、国立感染症研究所感染症情報センターのサイトに行ってみたら、『インフルエンザ流行レベルマップ』なんていうものがある。
https://hasseidoko.mhlw.go.jp/Hasseidoko/Levelmap/flu/guide.html
で、見たら視覚的にわかりやすく流行レベルが把握できるようになっている。
同時に、今シーズンの動きや過去シーズンの動きも公開されているので、それらを比較することも出来る。

なんだよ。こういうのを出してくれよ。

最新のマップ/2009年 第33週 (8月10日〜8月16日) 2009年8月19日現在
第33週は1.69(患者報告数7,750)となり、季節性インフルエンザの全国的な流行開始の指標値(1.00)を上回った。

感覚的で申し訳ないが、季節性インフルエンザであれば「そろそろ予防接種を打たなきゃ」と動き出すレベルって感じかな。
もちろん現状ではワクチンはないのだから、親が手洗い・うがいを徹底するしかないのだけどな。
夏休みが終わったらどう状況が変わるかも、注意が必要かな。

あと、季節性インフルエンザワクチンの情報も欲しいよなぁ。


それにしても、大臣の「国民全体の慢心も、感染の拡大につながっている」ってどういう言い草だろうね。 手洗い・うがいだけで、パンデミックが防げるわけなかろうに。 今頃ワクチンの検討委員会なんてやってる方がよっぽど慢心じゃないのかね。

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