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羊水

倖田來未の「羊水が腐る」発言。

まあ、不妊治療やって高齢出産で切迫早産で生まれた子がダウン症児っていうのは、『傷つく』カテゴリーに入る立場なんだろうな、と思いつつ。

もっとも、私自身は、始めにテキストとして見たこともあるのだろうけれど、若いお嬢さんがおバカ発言しちゃったなぁ、ぐらいにしか思わなかったんですよ。
だって、羊水がいつも身体の中にあるわきゃないし、身体の中で羊水に限らず体液なり組織なりが『腐る』ってことがあったら、それこそ大変なことだろうよ。子どもを産むどころじゃねぇよ、ってな具合で(笑)

ただ、そのあとのいろんな反応をみていると、高齢出産のリスクと絡めた発言がかなり見られる。
で、お約束のように必ずダウン症の発症率が言及される。

まさに、その『リスク』とやらをモロに被った身としては、苦笑するしかないのだけど。
そうですか、ダウン症児を産むってことは『腐った』と表現されてもかまわないほどヤバいものなのですか、と。

特に、このゲンダイネットの記事は軽卒だなぁ、と思う。

“35歳”羊水は一体どうなるのか (ゲンダイネット)

 35歳を越えたお母さんの羊水は、ホントのところどうなるのか——。

 倖田來未がラジオ番組で発言した「35歳羊水腐る」説。本人はふざけ半分のつもりだったようだが、活動自粛に追い込まれるなど深刻なダメージを受けた。

 それでは、「羊水は腐る」のだろうか。「らら女性総合クリニック」の松村圭子院長が言う。

「生まれる前の赤ちゃんがウンチをすると羊水が濁るケースがあります。羊水混濁という症状ですが、ウンチが赤ちゃんの気管に入ると危険なため、“仮死”の兆候のひとつと考えられています。これを“腐る”と誤解したのかもしれません」

 もっとも、「羊水混濁」は35歳以上になると増えるという。

「35歳を越えた高齢出産では、卵子が老化して受精や着床がしにくくなります。着床しても胎盤が弱く、微小な血栓が血流を妨げて赤ちゃんに栄養や酸素が行くのを阻害すれば、赤ちゃんにとって厳しい環境になり、生まれる前に苦しくなってウンチをしてしまうこともあるのです。ダウン症の発症率をみても、20代の出産では1000人に1人ですが、40代は100人に1人。やはり、20代前半に比べると、羊水は腐りませんが、リスクは格段に高いのです」(松村圭子院長)

 転職とか出産とか、世の中には35歳から難しくなることが多すぎる。

【2008年2月5日掲載記事】

まず、倖田來未の発言に羊水混濁など一言も出てこない上(比喩だとも言っていない)、一般的にほとんど知られていない用語を持ち出して、強引に結びつけること自体軽率だと思うが。

おまけに、羊水混濁は予定日を2週以上過ぎた過期産との関連が取り上げられるが、特に高齢出産に結びつけられる話ではない。
ましてや、ダウン症の発症とは何の関係もない。

おそらく、倖田來未と同様、この医師にも悪気はないのだろうが、『腐る』という言葉にどうしてこうも軽々と『羊水混濁』や『ダウン症』という言葉をかぶせることが出来るのだろう。
このことによって、『腐る』という印象を補強していることに気がつかない無神経さはどういうものだろう。

このテキストは様々なブログで引用されており、「羊水って腐らないけれど、濁るんだって」「高齢出産はダウン症が生まれやすいんだって」と言った反応を見るにつけ、これからは『羊水混濁』や『ダウン症』という言葉が『腐る』という印象と結びついて残っていくのではないかと思うと、気分が重くなる。

この問題については、もう少し書こうと思うことがあるのだけど、もう遅いので今日はここまで。
続きを書く暇があればいいけれど。

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コメント

私は、幸田氏が「羊水混濁」という言葉まで知っていて発言したとは思わんがな~。
大して深く考えずに、浅い聞きかじりの知識で
言っちゃったくらいに思うが。。ま、真相は
分からんが。

ただ、彼女はあくまでも注目される立場にいるという事を忘れてはならん。
どこぞの厚生労働大臣の「女性は子供を産む機械」発言や、宮崎県知事の「徴兵制度賛成」発言など、、、「ついつい」が通らない立場にいる自覚を持ってほしいと思うんだよね。

マスコミってさ、すぐに大騒ぎしたがるし、何かにつけて話題を作りたいじゃん?それが仕事だから致し方ないけど。

母親にとって子供は宝物。
外野があーだこーだ言ってほしくないぜ!

投稿: 奈々子 | 2008年2月13日 (水) 09時33分

>幸田氏が「羊水混濁」という言葉まで知っていて発言したとは思わんがな~。

私も幸田氏が、そこまで考えて発言したとは思わない。
だからこそ、安易に医療関係者が『羊水混濁』に結びつけて発言したことに怒りを感じたのよ。
実際、仮死にまで至る例があるならなおさらだよ。ただでさえ、出産のトラブルを経験した母親は自分を責めるでしょう。
でも、トラブルというのはゼロにすることは出来ない。リスクは必ず誰かに生じるものであって、絶対的に回避しようというなら出産しないという選択肢しかないわけで。
だから、この文脈でリスクを言い立てるのは、実際にそういう経験をした母親たちの切り捨てでしかないし、これから生もうとする人を脅すことにしかならないんだよ。

ついでにいうならば、今回の騒動について、倖田來未という個人に対しては、もう謝罪しているし、あとは彼女が考えるきっかけになればいいなぁ、ぐらいにしか思っていない。
ただ、発言の影響やそれを支えている社会的な背景については、いろいろと考えていかなきゃならんモノがあると思っていて、それが、「謝罪したからもういいじゃん」という空気に流されて霧散してしまうのが怖い。
特に、無邪気に、障害児の誕生をリスクと言い切ってしまう視線に対しては、ねちねちと抵抗していかなきゃいけないのかなぁと思っているんだよ。

それには、あなたの立っている場所は『外野』だと指摘することではなくて、あなたの立っている外野も、私たちのいる『内野』と連続したフィールドの一部なのだと、地道に言い続けていくしかないのかなぁと思っている。

まあ、いろいろ、しんどいよねぇ〜。

投稿: くりず | 2008年2月13日 (水) 14時58分

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