NHKでクリスタルチルドレン
現在、NHK「みんなのうた」で放映中の「クリスタルチルドレン」という曲があります。
ブログなどをざっと見てみたところ、「感動した」など好意的な意見が多いんで、水をさすのも何なんですけど。
しかしですね〜、これは公共放送であるNHKで流すにはかなり問題のある曲だと思います。
実は、曲のタイトルである「クリスタルチルドレン」は、いわゆる「スピリチュアル」な人々が使用している用語なんです。
彼らの説によれば、テレパシー能力などを持った新しい種の子供達が生まれていて、人類の進むべき方向を指し示しているんだそうですよ。まあ、はっきり言えばオカルトなんですけれど。
さらに、問題なのは、彼らはこの「クリスタルチルドレン」と言う概念を自閉症に結びつけているんです。
エンジェル・セラピーなるものをやっているこちらのサイトからの引用です。
ttp://doreen.jp/angelguide/007children.html(リンクは貼りませんが一応アドレスは表記しておきます。)
優れたテレパシー能力を備えていることは驚くにはあたりません。クリスタルチルドレンの多くが、話し始めるのが遅く、3、4歳になって初めて言葉をしゃべるというのも珍しいことではありません。しかし、彼らの親たちは、物を言わない子供たちとコミュニケーションするのに、なんの支障もないと言います。ほとんど問題はないのです。
(中略)
問題が持ち上がるのは、クリスタルチルドレンが、医療や教育関係者によって、 "異常な" 発話パターンを持つと判断されるときです。クリスタルチルドレンの出生数が増えるにつれて、自閉症の診断数が増え、史上最高になっているのは偶然ではありません
まあ、個人が何を信じようがかまわんという見方もあるにはありますよ。
でも、これは、必然的に子供を巻き込むんです。
何しろ、生まれてくる子供達が選ばれた人類だって言ってるんですからね。
子供達を巻き込んでせっせとオカルトを吹き込んでいるんです。
しかも、ですよ。
これら自閉症の子供達は、言葉を文字通り受け取ってしまう可能性がある。
知的には問題が無い高機能自閉症でもです。
(参考までに wikipedia「自閉症」)
その子達に幼いうちからオカルトな思考を吹き込んでどうする、と小一時間問い詰めたい気分なんですけれど。将来、カルトや霊感商法の餌食にする気か、と。
で、そんな危なっかしい概念をタイトルにした曲をNHKが「みんなのうた」で流している。
たぶん、NHKは、ただの反戦ソングぐらいに思っているんでしょうけれど、ちょっと検索しただけでもかなりの数のブログが、この曲をスピリチュアルに結びつけて評価しています。
「NHKが流してくれるなんて時代は変わった!」なんてブログがゴロゴロしているんですよ。
映像としても透明なイルカが出てきたり、スピリチュアルを連想させるような作りですしね。
制作サイドは確信的なんじゃないかな。
それに…。
「クリスタルチルドレン」でググると上位にくるのが、先に引用したエンジェルセラピーのサイトなんですよ…。
「みんなのうた」を聞いてググったら、真っ先に触れるのがオカルトっていうのは、やっぱり公共放送としては問題なんじゃないですかね〜。
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コメント
くりずさん、こんにちは。
ツカサネット新聞というところに、私たちと同様の危惧をする方が記事を書かれています。
「クリスタルチルドレン」とは何か?-スピリチュアルな世界へ【前編】
(ツカサネット新聞 2008年05月20日)
http://www.222.co.jp/netnews/article.aspx?asn=16814
「クリスタルチルドレン」とは何か?-ドリーンとエンジェル・セラピー【後編】
(ツカサネット新聞 2008年05月21日)
http://www.222.co.jp/netnews/article.aspx?asn=17018
うちでも紹介してみました(末尾にほんの少しだけ新しい情報があります)。
http://shibuken.seesaa.net/article/97447175.html
投稿: 亀@渋研X | 2008年5月21日 (水) 13時25分
亀@渋研Xさん、情報ありがとうございます。
リー・キャロルという人のサイトも見てみました。
そこにも「水からの伝言」の文字が…。
「トンデモはトンデモを呼ぶ」…う〜ん。
ツカサネット新聞の記事も読みました。
記事の中でこの曲を「ハーメルンの笛吹き」にたとえていましたが、なかなか言い得ていると思います。
最終的な被害者は子どもになりますから。
先ほどクリスタルチルドレンで検索してみたら、スピリチュアルにはまっている方のブログで、当該記事を読んだと思われる記述にあいました。
ドリーン・バーチューを信じていることは変わらないようですが、「でも やっぱり この方の言うとうり こどもちゃんのことに関しては 本当に 慎重になるべき ですね」と記されてました。
スピリチュアルにはまる母親は、子どものことを思うあまり突き進んでしまう面があるわけです。
だから、「子供を巻き込むのは危険」という主張なら、聞き入れてもらえる余地があるのでは…というのは少し楽観的でしょうか?
投稿: くりず | 2008年5月24日 (土) 01時59分