絵本

読書週間も終わりましたが絵本の思い出なぞを

読書週間も終わってしまいましたが(10/27〜11/9まで)まあ、読書の秋ですし、ちょっとノスタルジックに絵本の思い出話なんぞを少々してみようかと。

といっても、絵本1冊の話ではないのですよ。『ABCブック』という絵本シリーズの話です。

『ABCブック』は昭和40年代、世界出版社(現在は廃業)が出版していた絵本です。
全26冊(AからZまで)のシリーズで、書店販売はしておらず毎月1冊ずつ定期購読のみの販売だったようです。

構成は、見開きにアルファベットと英単語があり、次にそれに関連したお話が続き、最後にその物語の(または作者の出身地の)絵地図が描かれてるというものでした。
例えば、「A」なら「Apple」。お話は「ウィリアム・テル」。地図は「スイス」という具合。
一流の絵本作家たちが参加していたそうで、絵は美しくお話も世界各国の名作が集められていました。

このシリーズが忘れがたいのは、私に、初めて「世界」を教えてくれた本だからです。
いわば、原点ですね。
毎月我が家に絵本が、それもとびきり美しい絵本が届くという出来事は、子どもにとってはドキドキワクワク、本当に胸が躍るような体験でした。
でも、「次はどんなお話だろう」だけなら他の絵本でも味わえるのですが、このシリーズには「次はどんな国のお話だろう」があったんです。

巻末の地図も楽しみでした。
物語が生まれた場所はこんなところなのだと、子ども心にリアリティを感じさせたのです。
それは初めて見る「世界」。自分の住む場所以外にもたくさんの国があるという驚きでした。
とは言え、それらの国は現実の国として意識していたというよりも「ナルニア国」や「中つ国」と同じファンタジーの国みたいなものだったんですがね。
それでも、世の中にはいろんな国や人が(動物も)いるのだということを幼児期に強烈に印象づけられたことが、私の核になっているような気がします。

『ABCブック』についてはこちらのサイトに詳しい。
『絵本旅行社』http://www.ehonryoko.com/
26冊全ての表紙が掲載されているのを見た時は、懐かしさに涙が出そうになりましたよ!


あ、今思ったが、私のSF好きはこの影響なのかも。
「センス・オブ・ワンダー」を求める原点は『ABCブック』にあったのかー。

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